【読書】岩井圭也『完全なる白銀』小学館

岩井圭也『完全なる白銀』小学館を読了。 かつてマッキンリーと呼ばれていた北米最高峰の山、デナリ。アラスカのサウニケという地球温暖化によって海に沈みつつある島で生まれ育ったリタは、女性による初の冬期単独登頂に挑戦するが、下山の途中で消息不明と…

【映画】東京リベンジャーズ

珍しく日本映画『東京リベンジャーズ』を観る。本作を観たことにとりたてて理由はないのだけれど、昨日は日本語字幕のついていないフィリピン映画を観て疲れたので、今日は字幕を必要としない映画を観たかったのかもしれない。 落ちこぼれのフリーター花垣武…

【映画】Mahjong Nights

フィリピン映画『Mahjong Nights』を観る。 コロナのためにしばらく集まることのできなかったマージャン仲間が、ひさしぶりにエステル(Mickey Ferriols)の広大な屋敷に集まってくる。やってきたのは、ワイロ(Arnel Ignacio)、アソン(Liz Alindogan)の…

【映画】幽霊刑事

香港映画『幽霊刑事(7号差館)』を観る。 エリート捜査官のフォン(アンディ・ホイ)は、銃撃戦で頭を撃ち抜かれて昏睡状態に陥る。それから2年の月日が流れ、フォンは奇跡的に意識を取り戻し、復帰のためのリハビリを開始する。そして、献身的に彼の面倒を…

【映画】南拳宗師 ライズ・オブ・フィスト

中国映画『南拳宗師 ライズ・オブ・フィスト』を観る。 武術の師匠を訪ねて広州の猪油街にやって来たリウ・ユエンバーは、そこでアヘンをめぐる騒動に巻き込まれ、師匠が外国人と結びついてアヘンの密売に関わっていることを知らされる。しかも、その師匠に…

【読書】富田常雄『天にひらく窓』東方社

富田常雄『天にひらく窓』東方社を読了。 久しぶりに富田常雄の小説を読んでみた。 隠居生活をしている元陸軍少将の父(62歳)、商事会社勤務の長男雄一郎(32歳)、アルバイトとして子どもに日本舞踊を教えている長女の奈美子(24歳)、新聞社に勤めだした…

【子どもと観る香港映画その2】プロジェクトA2 史上最大の標的

私には8才と5才のふたりの孫がいる。2人とも男の子だ。最近、この2人が遊びに来たときに、香港映画を見せたりしている。布教活動というか、英才教育というか。その光景などをレポートしてみよう。 さて、『プロジェクトA』が大受けしたからには、次はもちろ…

【映画】ソード・アイデンティティー

中国の武術映画『ソード・アイデンティティー』を観る。 1604年、明の時代の中国。その街では、武術の名門4家が道場を持ち、新たに道場を開こうというものはその4つの道場に挑み、全てに勝たなければならなかった。ある時、その街に異様な長刀を携えた2人の…

【読書】今村昌弘『屍人荘の殺人』創元推理文庫

今村昌弘『屍人荘の殺人』創元推理文庫を読了。 まず最初に白状しておくが、自分はいわゆる謎解きをメインとする本格ミステリが苦手だ。読んでいる途中でなにがなんだかよく分からなくなって、どうでもよくなってしまうことが頻繁にあるからだ。だから、本書…

【映画】ソード・アーチャー 瞬殺の射法

中国武術映画『ソード・アーチャー 瞬殺の射法』を観る。 軍閥時代の1917年。武術家の選ぶべき道は軍に入るか道場を開くかであった。道場を巡ってはお互いの争いがあり、それを仲裁する役割の弓術の達人、“柳白猿”という人物がいた。道場間に争いがある時、…

【子どもと観る香港映画その1】プロジェクトA

私には8才と5才のふたりの孫がいる。2人とも男の子だ。最近、この2人が遊びに来たときに、香港映画を見せたりしている。布教活動というか、英才教育というか。その光景などをレポートしてみよう。 その1本目として選んだのがジャッキー・チェン主演の『プロ…

【映画】プロジェクトX-トラクション

ジャッキー・チェン主演の『プロジェクトX-トラクション』を観る。 謎の武装集団に襲われた中東の砂漠のまっただ中にある中国系企業が運営する石油精製所。民間軍事会社のルオ(ジャッキー・チェン)は、部下を率いて精製所の職員を脱出させようとする。だが…

【読書】森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』中央公論新社

森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』中央公論新社を読了。 なんとも奇妙な小説である。なにしろ、あのシャーロック・ホームズが登場する小説でありながら、舞台はいつもの森見登美彦作品同様、京都なのだから。ロンドンに住むホームズが京都へやって…

【映画】モガディシュ 脱出までの14日間

韓国映画『モガディシュ 脱出までの14日間』を観る。 1980年代、韓国は国連への加盟が承認されていなかった。そのため、国連で最多の投票権を持つアフリカ諸国に働きかけ、ソマリアの首都モガディシュにも外交官を派遣していた。そこでは、同じく国連加盟を…

【読書】丸山正樹『デフ・ヴォイス』創元推理文庫

丸山正樹『デフ・ヴォイス』創元推理文庫を読了。 埼玉県警の事務職員であった荒井は、ある理由から県警を去り、再就職のために手話通訳士の資格をとる。ろう者の家族に育った荒井は、子どもの頃から家族の通訳をしていたため、手話は使い慣れていたのだ。そ…

【映画】燃えよデブゴン 豚だカップル拳

サモ・ハン主演の『燃えよデブゴン 豚だカップル拳』を観る。原題は「搏命單刀奪命槍」。 観てわかったのは、この邦題、内容となんの関係もないってことだ。英語のタイトルが「Odd Couple」なもんだから、無理矢理「カップル」という言葉を入れたのだろうけ…

【映画】フラッシュオーバー 炎の消防隊

中国映画『フラッシュオーバー 炎の消防隊』を観る。 危険物を大量に貯蔵している化学工場で爆発が発生し、吹き出た炎はあっという間に周辺の大規模工業団地を巻き込み、一帯は瞬く間に炎に包まれた。吹き出した爆風に襲われ、広範囲にわたって建物は崩壊し…

【映画】アダン 禁断の果実

フィリピン映画『アダン 禁断の果実(Adan)』を観る。 父親(ベンボル・ロッコ/Bembol Roco)と2人きりで、山奥で暮らしているエレン(レン・エスカノ/Rhen Escano)。16才になった彼女は、会話を交わす相手もなく、鬱屈した日々を過ごしていた。月に一度…

【映画】ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』を観る。 アルバイトで殺し屋をしているゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)の兄弟だが、上の指示ミスで殺しのバイト代ももらえず、「やっぱバイトじゃだめだよな。組織に所属する正規の殺し屋にならなくちゃ」と一念発起す…

【読書】池央耿『翻訳万華鏡』河出文庫

池央耿『翻訳万華鏡』河出文庫を読了。 ハモンド・イネスの諸作、J・P・ホーガンの『星を継ぐもの』などなど、多くの冒険小説、SF、ミステリーでお世話になった翻訳家・池央耿による著書。てっきり、翻訳業界の裏話や苦労話が読めるものと期待して手を出…

【イベント】東京創元社新刊ラインナップ説明会2024

東京創元社の「新刊ラインナップ説明会2024」というイベントで飯田橋まで出て行く。 ネットで参加者を募集していたので、さほど何も考えずに応募したら「厳正なる抽選の結果、お席をご用意させていただきましたことをお知らせいたします」というメールが届い…

【映画】僕と幽霊が家族になった件

台湾映画『僕と幽霊が家族になった件』を観る。 やたらと暴走気味の刑事ウー・ミンハンは、道ばたに落ちていた赤い封筒「紅包」を拾うのだが、それは死者との結婚、冥婚の相手を決めるための封筒だった。しかも、その死者とはゲイの若者、マオ・バンユーだっ…

【読書】宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』新潮社

宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』新潮社を読了。 地元で活躍している人を調べて発表するという学校の課題に、成瀬と島崎のゼゼカラを選んだ小学校4年生の北川みらいが、成瀬に弟子入りするまでを描く「ときめきっ子タイム」。 成瀬の大学受験にふりまわされ…

【映画】ときめきサイエンス/エレクトリック・ビーナス

ジョン・ヒューズ監督の『ときめきサイエンス/エレクトリック・ビーナス』を観る。 高校生のゲイリー(アンソニー・マイケル・ホール)とワイアット(イラン・ミッチェル=スミス)は、女子には見向きもされないさえない二人組。そんな2人が、パソコンに理想…

【映画】喜劇 誘惑旅行

フランキー堺主演の『喜劇 誘惑旅行』を観る。 なにゆえこんな映画を観たかというと、舞台がフィリピンだから。1972年の日本映画でフィリピンがどのように描かれているのか、ちょっと気になるではありませんか。 大沢泰三(フランキー堺)と弘子(倍賞千恵子…

【映画】香港クレージー作戦

植木等主演の『香港クレージー作戦』を観る。 小さな飲み屋が建ち並ぶ「のん平横丁」。サラリーマンの植木等はそのあちこちにツケを溜めているのだけれど、立ち退き問題が発生したと聞き、ツケをチャラにすることを条件に行動を起こす。そして、香港に進出し…

【読書】原田ひ香『古本食堂』ハルキ文庫

原田ひ香『古本食堂』ハルキ文庫を読了。 神保町で古本屋を営む兄が亡くなり、その整理のために北海道から上京してきた鷹島珊瑚は、兄が大切にしていた本を処分することができず、店を引き継いで、店で本を売ることで兄の蔵書を処分していこうとする。だが、…

【映画】「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ

MOVIX川口にて映画『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』を観る。 テレビアニメの前シリーズの最終話と、次シリーズの第1話をセットにして上映するというもの。前回、このパターンでけっこう客が入ったので、味をしめたものと思われる。すでにあるフィル…

【映画】さかなのこ

のん主演の日本映画『さかなのこ』を観る。 さかなクンの自伝的エッセイを映画化したもので、『あまちゃん』ののん(能年玲奈)が、魚のことしか頭にない主人公ミー坊をめっちゃ好演している。実は、さかなクンが初めてテレビに登場してきたとき、たまたまそ…

【読書】冲方丁『骨灰』角川書店

冲方丁『骨灰』角川書店を読了。 大手デベロッパーのIR部(投資家向け広報部)危機管理チームに所属する松永光弘は、高層ビルの地下建設現場での事故を示唆するツイートの調査のために、地下深くへと降りていき、そこで異様な光景に遭遇する。異常な乾燥と、…