台湾映画『僕と幽霊が家族になった件』を観る。
やたらと暴走気味の刑事ウー・ミンハンは、道ばたに落ちていた赤い封筒「紅包」を拾うのだが、それは死者との結婚、冥婚の相手を決めるための封筒だった。しかも、その死者とはゲイの若者、マオ・バンユーだった。冥婚なんてやってられない、しかもその相手が男だなんてとんでもない! 速攻で拒否をするミンハンだったが、連続で襲いかかってくる不運に、泣く泣く冥婚を受け入れる。
ところがそのバンユーが幽霊となって現れ、自分を車ではねた犯人捜しをミンハンに強要してくる。かくして、しぶしぶながらも犯人捜しに乗り出すミンハンだったが、その捜査線上に麻薬密売組織の大物がひっかかってくるのだった……。
刑事ドラマといえば『リーサル・ウェポン』『48時間』『ラッシュアワー』などバディものがつきもので、いかに異色の組み合わせにするかでその魅力が決まったりするのだけれど、なんと今回のバディは暴走刑事とゲイの幽霊である。よくそんな設定を思いついたな。
しかも、要所要所のアクションも充実しているし、コミカルな演出も絶好調だし、泣かせる場面ではグイグイ押してくるし、いうことないじゃん。ミンハンを演じるグレッグ・ハンのコミカルな演技を観ているだけでも飽きないし、バンユーを演じるリン・ボーホンのちょいと浮世離れしたいかにも育ちのよさそうな表情を観ているだけでも癒やされる。そして、ミンハンの同僚の女刑事が可愛いじゃんとか思って観ていたのだけれど、調べてみたら『赤い糸 輪廻のひみつ』でピンキーを演じていたワン・ジンじゃん! そりゃ、可愛いよな。
監督は『紅い服の少女』のチェン・ウェイハオ。この監督の『目撃者 闇の中の瞳』『The Soul:繋がれる魂』という作品も面白そうだ。