【子どもと観る香港映画その2】プロジェクトA2 史上最大の標的

私には8才と5才のふたりの孫がいる。2人とも男の子だ。
最近、この2人が遊びに来たときに、香港映画を見せたりしている。
布教活動というか、英才教育というか。
その光景などをレポートしてみよう。


さて、『プロジェクトA』が大受けしたからには、次はもちろん『プロジェクトA2 史上最大の標的』だ。
自分自身もこの映画を観るのは実に久しぶりなので、内容をきれいさっぱり忘れていた。ところが、いざ見直してみると、黒社会と癒着した警察官やら、革命党員を追う清朝密偵やら、海賊の親分の仇討ちのためにジャッキーを狙う連中やらが入り乱れて、けっこう入り組んだ脚本だった。こうなると、きわめてシンプルだった『プロジェクトA』と違って、小さな子どもにストーリーの把握はまったく無理。多彩な人物が入り乱れるがゆえに面白いのだけれど、それはある程度の理解力がともなわないと楽しむことのできない面白さなのだった。
しかも、本作には『プロジェクトA』と違って、致命的な欠点があった。それがなにかというと、サモ・ハンが出ていないのである。小さな子どもには、サモ・ハンの存在がとっても大きかったのだ。

そのため、いまいち映画に集中してもらえなかったのだけれど、さすがにアクションに関してはそこそこ楽しんでもらえたようだった。「また落ちたね」「また高いところから落ちたね」と、ジャッキーらが繰り返し高いところから落ちるシーンをやたらと喜んでいた。そう言われてあらためて観てみると、高所から落ちるアクションがやたらと多いことに気づかされる。
そして、孫たちがいちばん喜んだのは、唐辛子を使ったジャッキー捨て身のアクションだ。これにはゲラゲラ笑って、「ありえねー」「ぜったいやりたくないよー」と大喜びしていたのでした。子どもには、こういうアクションが分かりやすくていいんだね。

というわけで、部分的には大喜びしてもらえたものの、込み入った設定ゆえに『プロジェクトA2』は小さな子どもには向いていなかったのでした。