【映画】ポリス・ストーリー/レジェンド

 ジャッキー・チェン主演の中国映画『ポリス・ストーリー/レジェンド』を観る。
 設定が実に凝っていて、脚本がよくできている。演出も文句なし。だけど、ジャッキー・チェンでこういう映画が観たいわけじゃなかったんだよなあ。そもそも、オープニングのクレジットが簡体字というところで、「もうかつてのジャッキー・チェンじゃないんだな」と、なにかしら寂しい思いにとらわれてしまう。こっちの勝手な思い込みなんだけど、やっぱりオープニングにはゴールデンハーベストのマークが出て欲しいと思ってしまうのだ。そういう風に刷り込まれてしまっているので、こればかりはもうどうしようもない。
 とはいえ、映画はよくできている。かつての工場を改造したバーの中に、そのバーのオーナーが人質をとって立てこもる。人質の中には、ベテラン刑事のジョンと彼のひとり娘のミャオもいた。はたして、そのオーナーがそこに立てこもる理由はいったい何なのか? 物語の展開とともにその理由が明らかになっていくのだけれど、そこからさらに5年前にあった事件の真相が徐々に明らかになっていくという展開がなかなかスリリングだ。
 そして、剽軽なキャラ、軽快なアクションを封印したジャッキーの熱演も実に見せる。これに文句を言ってはいけない……と頭じゃ分かってるんだけどなあ。
 警察隊の隊長役で出てくるユー・ロングァンが、実にもって相変わらずのユー・ロングァンなのが実に嬉しい。あとは、中国の俳優ばかりなのでよく分からないのだけれど、ジャッキーの娘役を演じている景甜(ジン・ティエン)という女優は、ドニー・イェン主演の『スペシャルID 特殊身分』、ハリウッド映画の『キングコング:髑髏島の巨神』『パシフィック・リム:アップライジング』に出ているとのこと。