【映画】あの頃、君を追いかけた

 ギデンズ・コー監督の台湾映画『あの頃、君を追いかけた』を観る。
 ギデンズ・コーの自伝的な小説を、自分で監督して映画化したもの。
 1990年代の台湾中西部の町、彰化が舞台。16才の男子高校生のコートンは、悪友たちとつるんでくだらないイタズラを繰り返しては、優等生の女子生徒のチアイーからバカにされる日々を送っていた。そのチアイーはコートンたちのグループのアイドルで、みんなチアイーに恋していた。ある日、授業中のイタズラがすぎて、チアイーがコートンのお目付役に任じられてしまう。最初のうちこそ口うるさいチアイーに反発していたコートンだが、いつしか面倒見のいいチアイーに惹かれていき、彼女のことを追いかけるようになる。
 そんな他愛のない青春の日々が続き、やがて高校を卒業。グループのメンバーもそれぞれの道に進んでいくのだが、コートンはチアイーを追いかけ続ける。チアイーもまんざらでもないのだけれど、こと恋愛に関しては自信を持てないコートンはいま一歩を踏み出せないのだった。
 いやあ、羨ましいばかりの青春ではありませんか。『ミス・シャンプー』『赤い糸 輪廻のひみつ』のギデンズ・コー監督の作品であるから、もっと外連味のある作品かと思いきや、恥ずかしいほどストレートな青春映画だった。「恋してくれてありがとう」というセリフが、めちゃくちゃまぶしい。
 主人公コートンを演じているのは、『ミス・シャンプー』『赤い糸 輪廻のひみつ』にも出ているクー・チェンドン(柯震東)。アホ丸出しの青春模様を全力で演じきっている。
 みんなのアイドルのチアイーを演じているのはミシェル・チェン(陳妍希)。最初はごく普通の女子高校生といった雰囲気なのに、どんどんきれいになっていき、時々ドキッとするほど魅力的な表情を見せてくれている。

 ちなみに、出演者の中に高麗虹という名前を見つけてドキッとしてしまったが、サモ・ハンと結婚したジョイス・コウ(高麗虹)と同姓同名の役者さんが台湾にいたということなのでしょうね。