【映画】赤い糸 輪廻のひみつ

 台湾映画『赤い糸 輪廻のひみつ』を観る。
 落雷で命を落としたシャオルンは、冥界で目覚めるのだが、縁結びの神〈月老〉として徳を積むか、カタツムリとして転生するかという選択を迫られる。同じく〈月老〉になるかゴキブリとして転生をするかという選択を迫られたピンキーとペアを組んで、シャオルンは〈月老〉として下界に降りて縁結びの仕事を始めることに。
 落雷のために生前の記憶を失っていたシャオルンだが、下界でかつての恋人のシャオミーと再会することで記憶が甦る。かつて、いや、いまでも心から愛するシャオミーの幸せのために、新たなる縁組みを成功させようとするシャオルンたちだが……。
 一方、500年間、冥界で牛頭として働いていたものの、過去の怨みが忘れられずに怨霊となって冥界を抜け出した鬼頭成は、500年前に彼を裏切った仲間への復讐を開始していく。冥界からは鬼頭成を捕らえるべく追っ手が送り出されるのだが、その事件はやがてシャオルンたちをも巻き込んでいくこととなるのだった。

 去年観た映画のベストワンに輝いた『ミス・シャンプー』のギデンズ・コー監督の作品である。シャオミーを演じているのは『ミス・シャンプー』のビビアン・ソン。『ミス・シャンプー』のときはけっこうコミカルなキャラクターだったけれど、本作ではひたすら可愛い。シャオルンを演じているクー・チェンドンはというと、『ミス・シャンプー』では主人公のクールな相棒を演じていて、めっちゃかっこよかったのだけれど、本作ではだいぶイメージが違う。本作だと、ちょっとコミカルで、しかもちょっと可愛かったりもするのだ。そして、コミカルかつキュートなピンキーを演じているワン・ジンは、『返校 言葉が消えた日』に出ているとのこと。『返校 言葉が消えた日』は観ていないんだよなあ。
 ギデンズ・コー監督の作品ではあるのだけれど、『ミス・シャンプー』で炸裂していた爆笑ギャグとかはやや抑えめ。しかし、シャオルンとシャオミーの恥ずかしいまでにピュアすぎる恋愛が、観ているこちらのハートをむずむずさせ、ここぞというところで涙腺に強烈な攻撃をしかけてくる。油断してはいけないのだ。
 そのくせ、CGを使いまくった派手なアクションもあったりする。なにせ、冥界の守り手と悪霊との壮絶なサイキックバトルが展開されるのだ。
 また、愛犬アルーのエピソードもいい。おおっ、そういう展開になるのか! 泣かせるぜ!

 というわけで、ギデンズ・コー監督、まってくもって侮れない監督なのである。こうなったら、なんとしてでも観たくなるのが『あの頃、君を追いかけた』なのだけれど、すでに権利が切れているために配信はなく、近所のゲオにも在庫はない。TSUTAYA DISCASかゲオ宅配レンタルサービスを利用すれば観られるのだけれど、はてさて、どうしたものだか。