懐かしのクンフー映画『嵐を呼ぶドラゴン』を観る。
ショウ・ブラザーズのオープニングマークが嬉しいチャン・チェ監督の作品。主演はチェン・カンタイとアレクサンダー・フーシェン。原題が『方世玉與洪煕官』。つまり、昨日観たばかりの『少林寺 燃えよ洪拳』と同じ主人公の物語なのだ。方世玉を演じているのがアレクサンダー・フーシェン、洪煕官を演じているのがチェン・カンタイ。
物語は当然のごとく、清朝政府による少林寺焼き討ちから始まる。燃え上がる少林寺の中でただひとり、四方八方から襲いかかる清朝の兵士と闘う洪煕官。命からがら逃げ出すも、あとからあとから追っ手が襲いかかってくる。そこに通りかかった方世玉。洪煕官が極悪非道な悪党だと騙されて、彼がつかまる手伝いをしてしまう。そのために、少林寺の残党から裏切り者と憎まれることとなるのだが、なんとか誤解を解き、洪煕官奪還に乗り出すのだった。
この清朝政府による少林寺焼き討ちから始まる物語をどれだけ観てきたことか。その襲撃を生き延びた残党が、反清復明を合い言葉に復讐にのりだす物語。パターンではあっても、この展開を目の当たりにすると、それだけで血がたぎってくる。古い香港映画ファンの血となり肉となってきた黄金のパターンなのだ。
すでに評価の定まった古典であり、今の目で見ると突っ込みどころはあちこちにあるし、アクション演出も古い。しかし、いまの評価基準でうんぬんするべき作品ではないのだ。チェン・カンタイとアレクサンダー・フーシェンの鍛え抜かれた肉体が繰り出すクンフーアクションをただただ満喫すればいい作品なのだ。クライマックスにおける肉体と肉体のぶつかり合いを感嘆しながら楽しめばいい作品なのだ。