【読書】かんべむさし『水素製造法』徳間文庫

 かんべむさし『水素製造法』徳間文庫を読了。
 SNSで何人もの本読みがこれを読んで爆笑したというので、苦労して手に入れて読んでみたのだけれど、自分にはぜんぜん刺さらなかった。爆笑どころか、クスリともしなかった。こういうのは、相性だから仕方がないのだけれど、人が楽しんでいるものを自分が楽しめないというのは、なんとも悔しい。すごく損をした気がしてしまう。
 似たような作風で爆笑させられた作品はというと、清水義範の『国語入試問題必勝法』などがあって、あれには爆笑させられた。が、ふと冷静になってみて、いま読んでも爆笑できるかとなると、いまいち自信がない。もしかすると若い感性で読んだからこそ爆笑できたのかもしれない。となると、『水素製造法』だって、若い頃に読んだのなら爆笑だったのかもしれない。いや、きっとそうに違いあるまい。
 そういえば、横田順彌の『謎の宇宙人UFO』も、雑誌掲載時に読んで爆笑したのだけれど、最近読み返したらぜんぜんノレなくてガッカリしたのだった。やはり、その年齢にあった読書というものもあるのだろう。
 ちなみに、本書に収録されている作品のうち「甘い宴会」という作品は雑誌掲載時に読んでおり、めちゃくちゃ楽しんだ記憶があり、これはいま読んでも面白かった。ま、爆笑はしなかったけれど。