★ゴード・ロロ『ジグソーマン』扶桑社ミステリー

 ゴード・ロロ『ジグソーマン』扶桑社ミステリーを読了。
 交通事故で最愛の妻と息子を亡くし、アル中のホームレスに落ちぶれた主人公。自分の人生に絶望して列車で自殺をしようとしたところに、右腕を200万ドルで売らないかと声をかけられる。再生医療の天才医師が実験用の四肢を必要としているというのだ。巨額の申し出に思わずうなずいてしまうのだが、その彼を待ち受けていたのは、予想だにしなかった地獄絵図だった。

 いやいや、実に実にとんでもない鬼畜なホラー小説でありました。こんな悲惨な運命に巻き込まれる主人公、そうはいないぞ。マッドサイエンティストの手によって、主人公の肉体はとんでもないことになってしまうのだ。しかも、その悲惨な運命に巻き込まれるのは主人公だけではなく、あちこちからかき集められてきたホームレスが、片端からとんでもない状態にされてしまうのである。
 そして、そこに登場する鬼畜なサディストのガードマン。そのガードマンとマッドサイエンティストが……ああ、書けない。これから読む人間が驚愕する場面をばらすわけにはいかない。
 それにしても、主人公があんな状態になったあと、いったいどんな展開があり得るのかと思いきや、そ、そんな展開が! なるほど、それで小説のタイトルが「ジグソーマン」なのね。いや、確かにジグソーマンでした。