★GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)

 Netflix『GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)』を見終えた。
 ガメラの攻撃能力等は、平成ガメラ三部作をベースとしている。アニメとはいえ、平成ガメラに再会できた興奮をたっぷりと味わうことができる。そこに、ギャオス、ジャイガー、ギロン、ジグラ、バイロスといったかつてのガメラシリーズに登場した怪獣たちが、完全リニューアルした設定で立ちふさがる。この怪獣たちの動きがすごい。従来の実写版では実現しえなかったスピーディな動きなのだ。ガメラとこれらの怪獣が繰り広げる壮絶なバトルシーンは迫力満点で、この魅力だけで、充分に見る価値はあるだろう。
 しかし、少年たちを主人公にしたことで、いまいち作品のバランスが崩れてしまっていると感じてしまう。少年たちの夏休みの冒険という、ジュヴィナイルの王道の設定を持ち込んでいるのだけれど、子どもたちが登場するシーン以外はジュヴィナイルの要素はかけらたりともないのだから。しかも、登場人物の造形に魅力が感じられないこともあって、怪獣バトルシーンの充実さと人間ドラマの物足りなさの落差が実に大きい。自衛隊の戦車隊の場面が繰り返し登場してくるのだけれど、ここに出てくる女性自衛隊員の顔の魅力のなさには、愕然とさせられてしまうくらいだ。このあたりはCGアニメの限界なんだろうなあ。
 いずれにせよ、平成ガメラ三部作のファンならば、絶対に観る価値のある作品と断言してしまおう。最初は「えー、アニメなのかよ。ガメラをアニメにするなんて、意味あるのかよ」などと思っていたのだけれど、いまはそんな自分に「このバカチンがあ!」とガメラパンチを叩き込みたい気分だったりするのだった。