★三匹の侍

 映画版三匹の侍を観た。

 凶作で食うや食わずの生活を強いられている農民が、年貢の減免を求めるために代官の娘(桑野みゆき)を誘拐して水車小屋に立てこもる。そこにふらりと迷い込んだのが浪人の柴左近(丹波哲郎)だった。ひょんななりゆきから農民の見方につく柴だったが、代官は用心棒の桔梗鋭之介(平幹二朗)、浪人の桜京十郎(長門勇)らを水車小屋に送り込む。事情を知った桜は寝返って柴につき、桔梗も最終的には代官のあくどいやり口に怒って反旗をひるがえす。
 かくして、三匹の侍と、代官の送り込む軍勢との熾烈な斬り合いが繰り広げられることになるのだが……。

 自分が子どもの頃に夢中になって観ていた時代劇のひとつに、この『三匹の侍』があった。最高視聴率は42%というのだから、大ヒットドラマといっていいだろう。今日、なにげなくレンタルビデオショップの日本映画の棚を眺めていたら、その映画版があったので発作的に借りてきてしまったのだけれど、いやあ、面白かった。
 監督は五社英雄。テレビシリーズの『三匹の侍』の演出を担当していて、映画監督としては本作がデビュー作とのこと。主役の丹波哲郎が製作も兼ねている。
 子どもの頃に観たなかでいちばん記憶に残っているのは長門勇のひょうひょうとしたキャラクターだったのだけれど、なるほど、3人の中ではいちばんキャラが立っている。子どもにはいちばん分かりやすいキャラクターだったのだろう。
 いまではすっかり廃れてしまった時代劇だけれど、こうして観るとなかなか面白い。自分が知らないだけで、いろいろと面白い作品もたくさんあるのだろう。