【映画】拳陣

 ウー・ジン主演のアクション映画『拳陣』を観る。
 京劇の公演のために中国大陸から香港へやってきていた劇団員のゴウコン(ウー・ジン)。武術チャンピオンでもある彼に目をつけた黒社会の男たちが、彼を地下格闘技の世界に引きずりこむ。大金が動く闇試合で勝利を続けるゴウコンだったが……。
 なんとも痛々しい後味の悪い作品だった。ウー・ジンが演じる大陸出身のゴウコンは、人を疑うことを知らないウブなキャラクターで、彼によくしてくれる同僚の女性ティンにうながされて地下格闘技に出場する。そこで勝ち続ければどんどん泥沼にはまっていくだけなのに。それがわかっていて、ゴウコンを試合に引っ張り出し、出場費を手に入れて喜んでいるティンという女も、ちょっと考えなしのバカな女と不快に感じていたのだけれど……。結局、すべて貧乏が悪いんや、と言わんばかりの展開となっていく。
 見どころは、試合のたびに対戦相手のレベルがあがっていくバトルシーン。さすがに、ウー・ジンの体の動きはみごとだ。