カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』ハヤカワ文庫SFを読了。
映画の方を何度も観ているので、なんとなく映画の内容を活字で追体験しているような印象になってしまったが、小説は小説で面白かった。時間軸の中をあっちこっち飛びながらビリー・ピルグリムという人間の人生を描いていくのだけれど、あっちこっち話が飛ぶわりに頭の中で物語がこんがらがることもなく、ちゃんと時系列で読んでいるように先の展開が気になるという、なんとも不思議な小説だ。
恐らく、ヴォネガットの小説は『タイタンの妖女』『猫のゆりかご』『プレイヤー・ピアノ』ぐらいしか読んでいないと思うし、なかなか読む機会もないのだけれど、やはり気になる作家であることは間違いない。そういうものだ。