妖怪と人間の混血という出自を持つ安倍晴明。彼は、かつて世に混乱をもたらした大妖怪「相柳」を封じ込めた鱗石を守るため、幾多の陰陽師が暮らす陰陽寮で仲間たちとともに修業をしていたが、その出自ゆえに陰陽尞を追放されてしまう。いまでは式神たちと穏やかに暮らしている晴明だが、何者かが陰陽尞に送り込んだ烏天狗によって鱗石が奪われ、偶然にもその鱗石を晴明の式神であるかまいたちが飲み込んでしまうことからかつての仲間たちから攻撃される立場となってしまう。
一方、式神のかまいたちが、皇室への献上品を護送する源博雅の一行を襲ったことがきっかけとなって、晴明は博雅と知り合っていた。そのため、博雅も鱗石をめぐるあらそいに巻き込まれていく。
やがて、鱗石争奪の背後に潜んでいた存在が現れ、晴明たちを追い詰めていくのだが……。
てっきり夢枕獏の『陰陽師』の映画化かと思ったのだが、スマートフォンアプリゲーム「陰陽師本格幻想RPG」を実写映画化したものとのこと。同じくNetflixで配信されている『陰陽師:とこしえの夢』の方は夢枕獏の『陰陽師』をベースとしているので、そちらとはまったく関係のない独立した作品となっている。
で、これがけっこうよくできている。まず、CGをフルに使ったあやかしたちの造形や動きが実によく、こいつらがなんとも愛らしいのだ。最近の中国のCGのレベルは、本当にあなどれない。
そして、バトルシーンも充実していて実に楽しい。中国時代アクションはこうでなくっちゃいけない。まあ、クライマックスのバトルなどは、ほとんど「ドラゴンボール」なんだけどね。
あと、晴明を慕って追いかけ回す神楽というキャラクターを演じた女優さんがなかなか可愛かった。沈月(シェン・ユエ)という女優さんだそうだ。
というわけで、なかなかのお勧め映画なのでありました。