【映画】ドラゴン・バーニング

 1991年のドニー・イェン主演映画『ドラゴン・バーニング(怒火威龍)』を観る。
 富豪の娘リサ(ン・ガーライ)は、父の病気を癒やすことのできる水晶の仏像の探索を考古学者のロー教授に依頼する。だが、その仏像はギャング組織のスティーヴン(ジョン・サルヴィッティ)も狙っていた。
 一方、ロー教授の娘のジョイス(髙城富士美)は、恋人で元刑事のチー・ラン(ドニー・イェン)に行方不明となった父親の捜索を依頼し、元バディのウー刑事(シベール・フー)もその捜索に関わっていく。
 かくして、リサの率いる一団、スティーヴンの率いる一団、そしてチー・ラン&ジョイス&ウーの三つ巴の仏像争奪戦が繰り広げられるのだった。
 ドニー・イェンがブレイクする前に出ていた低予算C級アクション映画の1本だが、出演俳優が実に豪華。ン・ガーライ(呉家麗)が率いているのはケネス・ロー(盧惠光)だし、スティーヴン率いるギャング団にはマイケル・ウッズがいたりするし、ドニー・イェンのかたわらにはシベール・フーと髙城富士美がいるのである。冒頭では、レオン・カーヤン(梁家仁)とリュー・チャーフィー(劉家輝)が刑事役でゲスト出演していたりもする。当時のこの手のアクション映画としては、なかなかの顔ぶれである。
 こいつらが、かたはしから相手を変えながら、殴る蹴るの派手なアクションを繰り広げるのである。昨日観た『邪神拳(魔唇劫)』ではアクションシーンのなかったシベール・フーも、こちらではガンガン頑張っている。日本人空手家出身の髙城富士美もキレのいいアクションをたっぷりと披露してくれている。もちろん、ドニー・イェンだってキレッキレだ。
 ほんのちょっとだけインディ・ジョーンズっぽい宝探しの要素もあるけれど、あとはひたすら繰り広げられるバトル。例によって、脚本はおざなりで、とにかくアクションシーンを楽しむための映画なのである。
 エンディングにアクションシーンのNGシーン集があるのだけれど、かなり無茶なアクションをやっている。ドニー・イェンにしても、同じシーンを繰り返し繰り返し、体力が尽きるまでやらされていたりする。そうまでして撮らなければいけないシーンでもないと思うのだけどなあ。
 監督のツイ・パクラム(徐柏林)は、ユエン・ウーピンのもとでアクション指導の補佐をしていた人物であるようだ。
 ちなみに、香港映画で広東語なのだけれど、舞台はタイだったりする。なんで、シベール・フーやドニー・イェンがタイ警察の刑事なんだよと突っ込みをいれておきたいところだけれど、ま、そこは許そう。