ドニー・イェン主演の2010年の中国映画『処刑剣 14BLADES』を観る。
明朝時代に設立された禁衛軍の1つ、錦衣衛。孤児たちを捉えてきて鍛え上げた戦士によって構成された、最強の警備組織であり、そのトップとなった者には「青龍」の称号が与えられた。だが、謀反に巻きこまれた青龍(ドニー・イェン)は、錦衣衛の仲間から追われる立場となってしまうのだった。
なんだか、そういうストーリーはどうでもよくなって、ただただボーッと派手なアクションを眺めるだけになってしまった。ドニー・イェンのアクションは相変わらずキレッキレだし、彼を追う妖艶な殺し屋トゥオトゥオ(ケイト・ツイ)も雰囲気たっぷりでいい。とはいえ、このトゥオトゥオの設定はよく分からなかったなあ。なんでこんなに強いんだ。青龍の助太刀をすることになる盗賊団・天鷹幇の頭目(ウーズン)もなかなかかっこいいぞ。そして、騒動に巻きこまれる「鏢局」の頭目を演じているのがウーマで、その娘がヴィッキー・チャオ。ヴィッキー・チャオがなかなか凛々しい表情を見せてくれていて魅力的なのだ。あとは、ストーリーにはほとんど絡まないものの、サモ・ハンが貫禄たっぷりだ。
監督はダニエル・リー。そこそこ観られるアクション映画を撮ってはいるものの、いまひとつ吹っ切れた作品がない。本作も、悪くはないのだけれど、アクションがけっこう単調になっていて、観ていてボーッとなってしまう。もう少し、メリハリとかけれんみとかが欲しいところ。