【読書】ジョー・R・ランズデール『テキサス・ナイトランナーズ』文春文庫

 ジョー・R・ランズデール『テキサス・ナイトランナーズ文春文庫を読了。
 1987年の作品で、翻訳されているランズデールの作品では『死人街道』と並んで古い作品となる。そのためもあって、いささか筆致に乱暴な印象も受けるが、それだけに異様な迫力に満ちている。内容はというと、いささかのホラー風味をまじえた犯罪小説といったところか。
 暴力に取り憑かれた少年が、監獄で自殺を遂げた友人を自分の頭の中に取り込み、かつてレイプした女性を殺すためにひたすら追い詰めていくという、なんとも異様な内容の小説である。しかも、かかわった人間は、かたはしから残虐な方法で殺害されていく。通常の小説なら「こいつは最後まで死なないな」と思うような登場人物も、あっさり殺されてしまう。なんとも容赦のない物語なのだ。
 これほどまで、先の予想のつかない小説というのも珍しいかもしれない。
 しかし、このランズデールも新作の翻訳は途絶えたままなんだよな。もっともっと読みたい作家なのに。