★リボルバーリリー

 綾瀬はるか主演のリボルバーリリー』を観る。

 関東大震災の翌年の1924年の日本。何者かに屋敷を襲われ、ただひとり生き延びた少年を救うことになったのは、過去にスパイとしての特殊な訓練を受け、国家のために殺人をおこなっていた小曾根百合(綾瀬はるか)だった。人を殺すことに嫌気をさして、いまは歓楽街・玉の井の片隅でひっそりと暮らしていた百合だったが、少年を守るために再び銃弾の飛びかう修羅場へと戻っていく。だが、彼女が立ち向かうことになる相手は、あまりにも巨大な権力だった!

 綾瀬はるかのアクションについては、2008年の『ICHI』で惚れ込んでしまっていたので、この映画を観に行かないという選択肢はなかった。結果は大満足。綾瀬はるかのアクションが実に素晴らしかったのだ。格闘シーンも見ごたえたっぷりならば、銃を撃つ際のキメのポーズも実にかっこいい。
 しかし、かっこいいのは綾瀬はるかだけではない。綾瀬はるかの片腕となるシシド・カフカがめちゃくちゃかっこいいのだ。群がり来る陸軍を相手に、この2人が銃を撃ちまくるシーンの素晴らしさよ。
 百合にに惚れて、彼女をバックアップする腕利き弁護士・岩見を演じる長谷川博己も、なかなかアクションを頑張っている。クライマックスでは「ワイルド7」の飛葉ちゃんなみのかっこいい見せ場を披露してくれているのだ。
 他の脇役陣も実に充実しているのだけれど、佐藤二朗は相変わらずのオーバーアクトでいささか浮いているし、阿部サダヲ山本五十六というのはちょいと貫禄不足だったかもしれない。そこだけは、ちょっと違和感があった。

 それにしても、綾瀬はるか、お前は不死身か? クライマックスでめっちゃ銃弾をくらいながら、二丁拳銃を撃ちまくるとは! あんたはチョウ・ユンファか!

 ちなみに、配給会社が本作につけたキャッチフレーズが「未来を救う悪になれ。」なんだけど、えっ、ぜんぜんそういう映画じゃなかったぞ。また、公式サイトには「映画史上最強のダークヒロインここに降臨」てあるけれど、これをダークヒロインとは呼ばないぞ。
 よくまあ、ここまで映画の内容を反映していない宣伝をするもんだと、呆れかえってしまった。もしかして、映画を観ていない人が宣伝を担当しているのか?とすら思ってしまったよ。