★バンバン!

 インド映画『バンバン!』を観る。
 原題は「BANG BANG!」。2014年の作品。

 所有する者は世界を征服すると言い伝えられている伝説のダイヤモンド「コヒヌール」がイギリスから盗み出される。盗み出したのは謎の怪盗ラージヴィール(リティク・ローシャン)。それを狙うギャングや、インド公安情報局からラージヴィールは追い回されることに。
 銀行の受付係をしている恋愛に縁のない地味なOLのハルリーン(カトリーナ・カイフ)は、ちょっとした偶然から「コヒヌール」をめぐる騒動に巻き込まれ、ラージヴィールと行動を共にすることになってしまう。祖母とふたりでおとなしく暮らしていただけのハルリーンなのに、あっという間にラージヴィールとともに世界を股にかけて逃げ回ることになってしまい、ふと気がつけば国際指名手配までされてしまう。なぜ?

 トム・クルーズキャメロン・ディアス主演で2010年に製作された『ナイト&デイ』を、リティク・ローシャン&カトリーナ・カイフ主演でリメイクした作品とのこと。正直、ストーリーの細かい部分に云々しようと思ったら、キリがない。あまり、そういうことに力を入れた作品ではないのだ。リティク・ローシャンのキレッキレのアクションと、何を考えているのかよくわからないラージヴィールに引っ張り回されるカトリーナ・カイフの右往左往を楽しめばいい作品なのだ。
 オリジナルの『ナイト&デイ』を観ていないのでなんともいえないのだけれど、アクションということに関して言えばトム・クルーズはリティク・ローシャンにはかなわないだろう。ムキムキマッチョな肉体も圧倒的ならば、キレのいい動きも実に素晴らしい。一方、カトリーナ・カイフの天然ぶりはどうなんだろう。銃撃戦のさなかにしゃしゃり出てみたり、睡眠薬で朦朧としながらひっぱりまわされたりするシーンはとっても可愛いのだけれど、キャメロン・ディアスの賑やかさにはかなわないような気もするのだけれど。これはちょっと見比べてみたくなる。

 ダンスシーンでは、ふたりが出会った直後の「Tu Meri」のノリの良さが実に楽しい。「トゥ・トゥ・トゥ・メリ・リ・リ・リ♪」というシンプルな繰り返しが耳にこびりつくこと間違いなし。