★亀和田武『夢でまた逢えたら』光文社

 亀和田武『夢でまた逢えたら』光文社を読了。
 なにかでこの本を読みたいと思ってブックオフオンラインに登録してあったのだけれど、入荷の連絡があった時には、なぜこの本を読みたいと思ったのか、その理由を完全に忘れ去っていた。それでも、亀和田武がかつて会って、そのことが印象に残っている人たちについて綴った本書を読んでいって、「ああ、そうだったか」とこの本を読もうと思った理由が判明した。亀和田武が就職した実話雑誌の出版社にいたのが北上次郎だったという話が載っていたのだ。藤代三郎名義で出された『戒厳令下のチンチロリン』で描かれている出版社に入ってきたのが亀和田武だったのだった。まだ「本の雑誌」でブレイクする前の話で、椎名誠と一緒に「星盗人」という同人誌を作っていたりする北上次郎の姿が描かれている。これを読みたいと思っていたのだった。
 他に、片岡義男のサックスの師匠が広瀬正であったという話から、広瀬正の思い出話がたっぷりと読めたのも、予期していなかった喜びだった。
 内藤陳さんに連れて行ってもらった四谷ホワイトの話なども出てきて、いろいろなトリビアに「へぇ、そうなんだ。へぇ、そうなんだ」とへぇボタンを押しまくってしまった本だった。