★ジュラシック・ワールド/新たなる支配者


 『ジュラシック・パーク』に始まるシリーズの第6作にして完結篇の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を観る。


 前作のラストで孤島から都市部へと解き放たれた恐竜たちによって、世界中のいたるところに恐竜が出没し、恐竜による被害が続出していた。
 その恐竜の保護活動に携わっているオーウェンクリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、人里離れた山小屋で、メイジー(イザベラ・サーモン)という少女と暮らしていた。だが、メイジーは何者かに誘拐されてしまい、オーウェンとクレアは少女の奪還に乗り出していく。そして、誘拐犯の黒幕が、恐竜を利用して莫大な利益をあげようと画策している巨大バイオテクノロジー企業バイオシン社であることを探り出し、バイオシン社が運営する恐竜の保護施設「バイオシン・サンクチュアリ」に乗り込んでいく。
 一方、突如発生した巨大イナゴの大群によって、世界中の穀物が枯渇しようという危機が発生する。古植物学者のサトラー博士(ローラ・ダーン)は、その巨大イナゴがバイオシン社によるDNA操作によって作り出されたものであると考え、古生物学者のグラント博士(サム・ニール)とともにバイオシン社に乗り込んでいく。そこで、バイオシン社に雇われていたマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の協力を得て、証拠を入手しようとするのだが。

 いやあ、面白かった。ただただ恐竜が大暴れするシーンに終始した過去3作品と比べて、脚本がよくできている。特にオーウェンとクレアのパートは、007タイプの迫力あるアクションシーンが続き、そこに恐竜が絡んでくるという描き方なのだ。恐竜が出ずっぱりというわけではなく、ここぞというポイントで恐竜が登場してくるのである。
 一方の、サトラー、グラント、マルコムのパートはというと、適度なユーモアを交え、アクションも控えめで展開していく。そのあたりのバランスが実にいい。
 そして、『ジュラシック・パーク』に始まるシリーズの主要なキャラクターが勢揃いしていって、いっきにクライマックスに突入するという展開も実にいい。新旧のキャラクターが顔を合わせて、お互いに「恐竜を調教したんだって? すごいなあ」なんて会話をかわしたりする場面も実に楽しい。
 さらには、密輸の下請け業者として登場する元空軍パイロットのケイラ(ディワンダ・ワイズ)のキャラクターがこれまたカッコ良くって嬉しくなってしまう。
 途中で中だるみのあったシリーズではあったけれど、最後は見事に盛り上げてくれた。お見事!