★続・激突!/カージャック

 『続・激突!/カージャック』を観る。

 軽犯罪で刑務所に収監されていたクロヴィス(ウィリアム・アザートン)のもとに、窃盗罪で逮捕されていて刑務所から出所したばかりの妻ルー(ゴールディ・ホーン)が面会にやってくる。ルーは、福祉局によって赤ん坊をとりあげられ里子に出されてしまったので、それを取り戻すためにクロヴィスを強引に脱走させてしまう。
 ふたりは若い警察官スライド(ベン・ジョンソン)を人質にとってパトカーで逃走し、それを無数のパトカーが追いかける事態となってしまう。さらには二人に取材せんとするマスコミや、赤ん坊を取り戻そうとする二人を応援する一般市民までもが車でふたりを追いかける騒動に。

 1974年の作品で、スピルバーグの劇場映画第1作(『激突!』はテレビ映画)。自分としては、おそらくおよそ50年ぶりの視聴になるのだろう。だが、それでいてほとんど古さを感じさせない。まったく飽きさせない。さすがはスピルバーグといったところだろうか。
 そして、ゴールディ・ホーンも初々しくて実にいい。ギャーギャー騒いで事態を悪化させたり、応援する市民にかこまれて調子にのったりする、いささか薄っぺらい若い女性の役を好演している。正直、困ったちゃんなのだけれど、それでも愛さずにいられないキャラクターだ。
 音楽を担当しているのはジョン・ウィリアムズ。その後のスピルバーグ映画で特徴的な、フルオーケストラを使った重厚な音楽とはまったく違っていて、こういう抒情的な曲も作っていたのだとちょっとビックリしてしまう。