★ジュラシック・ワールド

 「ジュラシック・パーク」シリーズの第4弾ジュラシック・ワールドを観る。
 「ジュラシック・パーク」の惨劇から22年。かつて惨劇の発生した島は、ふたたび恐竜をテーマとした遊園地として開発され、いまや世界中から1日2万人の観光客が訪れる一大観光施設となっていた。
 テーマパークの経営陣は、継続的に観光客を引き寄せるため、遺伝子操作によってより巨大な新種の恐竜を作り出そうとしていた。だが、生み出された恐竜は予想をはるかに上回る知能と能力を持ち、飼育エリアを脱走して観光客のあふれるエリアへと向かって行くのだった。

 「おいおい、また恐竜をテーマに遊園地を作っちゃってるのかよ。まったく過去の歴史に学んでいないな。」と突っ込みを入れながらも、相変わらず楽しんでしまう。テンポの速い展開と派手な映像で、ストーリーの空っぽさを見事にカバーしていて、エンターテインメントとしては充分な仕上がりとなっているのだ。
 とはいえ、登場人物によって繰り返されるバカな行動がなければもっと面白かっただろう。いますぐ戻れと言われているのに進入禁止エリアに入って行ってしまう兄弟とか、ヘリコプターの操縦を覚えたばかりなのに兵士を乗せてヘリコプターで恐竜を攻撃しようとする社長とか、なんでそういう観ていてイライラしてくるような描写を入れるかな。あと、会社を買収されたインジェン社が乗り込んできて、混乱しているパークを乗っ取るといったドラマもまったく不要。人間がバカな行動をするせいで事態がどんどん悪くなっていくというストーリーよりも、人間が協力して恐竜に立ち向かうが、それでも人間が窮地に追いやられていくというストーリーを観たい。
 それと、前作に引き続いて、恐竜に過剰な知能を与えて人間と意思疎通するような設定も好みじゃない。