【映画】つきせぬ想い

 30年ぶりにアニタ・ユン主演のつきせぬ想いを観る。
 この作品で初めてアニタ・ユンに出会い、ひと目ぼれして、『君さえいれば/金枝玉葉』で完全にノックダウンをくらったのだった。
 そして、この作品で初めてラウ・チンワンに出会って、なんて濃い顔なんだ!と衝撃を受けたが、まさかその後、幾多の名作に出るようになるとは思いもしなかったのだった。
 初めて観たときにはアニタ・ユンの自由奔放なキャラクターに惚れ込み、最後に 滂沱の涙を流したものだが、今回は展開を知っているだけに途中のなにげないシーンでもう泣けてきてまいった。
 シルビア・チャンの女医さんも、めちゃくちゃ似合っていて惚れてしまう。カリーナ・ラウ、キャリー・ンもいい。つい3日前に観た映画で派手なバトルシーンをこなしていたチョン・プイが、こちらでは一転してしんみりと味わいのある役柄で、お見事のひとこと。教育ママみたいなメガネで出てきたファン・ボーボーの娘を想う表情に泣かされる。
 アニタ・ユンの愛らしさに加えて、イー・トンシン監督の丁寧な脚本と手堅い演出があって、永久保存版級の名作となっている。