【映画】ブレイド・オブ・ゴッド 天空の剣

 シェー・ミャオ主演の中国映画ブレイド・オブ・ゴッド 天空の剣』を観る。
 100年に1度、天空に至る道が現れ、剣の道を極めた達人がその道を登りきることができれば不死の仙人になれるという。
 偶然にも伝説の剣〈焚心剣〉に選ばれた青年ジエン(シェー・ミャオ)は、〈焚心剣〉を手に入れて天空にあがろうという野望に燃えるフォンの一族に狙われる立場になり、フォンの一族と死闘を繰り広げてきたイエン(マイ・トン)と共に戦うことになる。だが、ジエンには本人も知らなかった出生の秘密が隠されていた。それが明らかになり、封印されていた能力が解放されたとき、ジエンはいっきに覚醒するのだった!
 というわけで、中国でやたらと作られている武侠ファンタジー映画の1本である。晶石と呼ばれる石が価値をもっていたり、異人と呼ばれる化け物が跋扈していたり、人間はみな“剣魂”というものを持っていて、武術のレベルが剣魂5段、剣魂4段というように段位で表されるなど、独特の世界を構築している。そのあたりは、原作にある設定なのだろう。
 前半は、剣魂を持たない俗人ながらも正義感の強いジエンと、彼を慕うシアオ(ワン・リナ)とのやりとりがけっこう楽しい。このワン・リナという女優さんがけっこう可愛かったのだけれど、いまはテレビドラマの仕事がメインで、映画は本作以降は出ていないみたい。
 中盤からは、〈焚心剣〉をめぐるバトルが繰り返されるわけだが、ジエンの師匠が実は伝説の剣士であったとか、いろいろ入り乱れて楽しませてくれる。フォンの一族から送り込まれてくるルーとかチーもなかなかキャラがたっていていい。
 しかし、クライマックスで、なんの伏線もなく、唐突にとんでもないラスボスが登場してきたのはビックリ。不死の仙人になれるという伝説の驚くべき真実がそこで明かされるのだけれど、唐突すぎるよなあ。そして、とてつもないレベルのラスボスなのに、ジエンに怒って村人たちを空から襲いまくるって、やることが小物すぎる。
 そして、このクライマックスのバトルが、とんでもないレベルの戦いになってしまうのだけれど、残念ながら演出力がその戦いのレベルに追いついていない。そもそも、最初からワイヤーワークとかがいまいちで、いささかバトルシーンには満足できていないきらいはあったのだけれどね。
 というわけで、けっこう楽しみながらも、もうひと頑張りほしかったという感じの映画ではありました。
 これで、おそらく日本でリリースされているシェー・ミャオ(謝苗)の出ている映画はすべて観てしまったことになるのかな。まだまだ主演作のあるシェー・ミャオなので、今後のリリースを楽しみにしていこう。