【読書】シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』創元推理文庫

 シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』創元推理文庫を読了。
 家族が食事に混ぜられた毒で惨殺された屋敷で、姉のコンスタンス、伯父のジュリアンと3人で暮らしている少女メアリ。家族殺害の疑いをかけられたことから、コンスタンスは村人との交流を避け、死にはしなかったものの毒を飲んだ後遺症でジュリアンはなかば痴呆症と化している。空想の世界に生きるメアリにとって、屋敷にこもった2人との生活は幸せそのものだった。だがその幸せな世界に、従兄のチャールズが入り込んでくる。彼の狙いは、一家に残された莫大な資産だったのだが……。
 主人公のメアリは7~8才ぐらいか、なんとなくそういうイメージを持ちながら読んでいた。ところが、小説の1行目を見直してみてビックリした。そこには18才と書かれているではありませんか。夢見がちな少女の空想の世界と思いながら読んでいたのに、18才となるとまるっきり違う小説になってしまう。なんとなんと、自分は作者が提示したものを、まるっきり異なる小説として読んでしまったものらしい。そうか、18才か……。
 となると、まるっきり的外れな感想しか書くことができないので、感想を書くこともできやしない。まいったな。

 これから本書を読もうという人は、主人公が18才だと思って読んでくださいね。