★ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

 ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイションを観る。

 シリーズ7作目の『デッドレコニング PART ONE』からさかのぼって観るというきわめてイレギュラーな見方をしてしまったのだけれど、これでシリーズ全作を観たことになる。その結果わかったのは、本作でクリストファー・マッカリーが監督を担当するようになって、このシリーズがいっきに面白くなったということだった。残念なことに、その前作の『ゴースト・プロトコル』でこのシリーズに対する興味をなくしてしまい、本作と『フォールアウト』を観ないままだったのだけれど、本作まで観ておけば続く『フォールアウト』も劇場に足を運んで観ただろうに。

 存在すら疑問視されている謎の犯罪組織「シンジケート」を追うハント(トム・クルーズ)。だが、彼が所属するIMFは逸脱した捜査活動が問題視され、解体されてCIAに吸収されてしまう。CIAは「シンジケート」の存在を否定し、捜査の中止命令を出すのだが、ハントは組織の命令を無視して単独で「シンジケート」を追い続ける。そのため、ハントは反逆者として国際手配されてしまうのだが……。

 「シンジケート」を率いるソロモン・レーンという人物が非常に優秀な人物として描かれているため、ハントとの読み合いが非常にスリリングに展開される。どこまでが罠なのか、どこまでが罠にかかったフリなのか、観客をも繰り返し騙していく。誘拐された仲間を救うためにはイギリス首相を誘拐しなければならない展開、さらにそのあとに続く絶体絶命の設定などなど、実にドキドキさせられる。このあたりは、まさに脚本の勝利と言えよう。
 そして、ここで登場してきたMI6のイルサ(レベッカ・ファーガソン)が、続く『フォールアウト』『デッドレコニング PART ONE』でも重要なキャラクターとして登場してくるので、やはりここから順番に観るべきであった。

 『フォールアウト』『デッドレコニング PART ONE』ほどスケールが大きく派手なアクション映画ではないのだけれど、最後の最後までたっぷりと楽しめる充実のエンターテインメント作品である。