★恐竜・怪鳥の伝説

 日本の特撮映画『恐竜・怪鳥の伝説』を観る。
 なかなかの怪作だとは聞いていたが、ここまで凄い作品だとは思わなかった。超絶レベルでセンスのない人間が、「こんなもんだろう」というとんでもない勘違いを元に作ってしまった映画としか思えない。突っ込みどころ満載というか、突っ込みどころしかない映画だ。
 富士の樹海で巨大な卵が発見されたというニュースを聞きつけた石材会社の嘱託社員の芦沢(渡瀬恒彦)は、仕事を放り出して富士の麓に駆け付ける。すると、なぜか西湖に来ていた芦沢のかつての恋人の水中写真家、亜希子と再会する。そこへ、西湖に恐竜を見たという目撃者が続出し、やがて被害も出る。芦沢の父は、富士山麓に恐竜が生存するという説を唱えていた古生物学者だった。その父の主張が正しいことを自分の目で確かめたいと思う芦沢は、亜希子とともに西湖に潜るのだが……。
 なんというか、苦笑しかない。西湖にプレシオサウルスが現れて湖にいた人間を襲うかと思いきや、なぜか同時に翼竜・ランフォリンクスが現れて湖岸にいた人間に襲いかかる。
 この2体の恐竜の造形が実にチャチで、プレシオサウルスなんて「怪獣王子」に出てきたネッシーの使い回しとしか思えなかったのだけれど、調べてみると造形を担当したのはまさにその「怪獣王子」で知られる大橋史典という人なのだとか。
 最後は、意味もなくプレシオサウルスとランフォリンクスが闘い続け、富士山が噴火し、地割れに飲み込まれそうになった亜希子がひたすら悲鳴をあげ続けるという、実にカオスな展開に。いやはや。