吸血鬼ハンターを主人公としたアクション・コメディ『デイ・シフト』を観る。
仮の姿はプール清掃人、だがしてその実態は凄腕の吸血鬼ハンターのバド。彼はいま家庭崩壊の危機に瀕していた。家族にもその正体を知らせるわけにはいかずに吸血鬼を退治していたため、妻からは不倫を疑われ別居を強いられていたのだけれど、週末までに娘の学費を用意しなければ妻は娘を連れてフロリダの実家に帰るというのだ。そこでバドは一攫千金のために吸血鬼ハンターの組合に復帰する。あれこれ規則のうるさい組合だが、正規の組合に所属していた方がいい稼ぎになるのだ。だが、バドに家族を殺された吸血鬼の大物であるオードリーが、復讐のためにバドの家族を狙ってくる。はたしてバドはオードリーの魔の手から家族を守ることができるのだろうか!
基本はホラーというよりも、アクション映画である。片端から襲いかかってくる吸血鬼と派手なバトルを繰り広げ、ショットガンで吹き飛ばし、刀で首をはねる。監督のJ.J.ペリーは、『ワイルド・スピード』や『ジョン・ウィック』などおよそ150本にも及ぶ作品でスタント、アクション演出を担当してきたとのことで、アクションシーンはたしかに充実している。
ただし、吸血鬼の設定がいまいち納得がいかない。組合からお目付役としてつけられた事務員のセスとのデコボココンビがバディものっぽい展開となるのだけれど、そのセスが吸血鬼に襲われて吸血鬼に変貌してしまう。が、吸血鬼となりながらもバドを襲わずに、一緒になってオードリーと闘うのである。いやいや、その設定っておかしいでしょ。だったら、他の吸血鬼だって人間でいたときの意識を保って行動するはずなのに。
なお、吸血鬼ハンターのひとりとして、アクション俳優のスコット・アドキンスも出演していて、派手なアクションを繰り広げてくれている。