Netflixでアメリカのアクション映画『セキュリティ・チェック』を観る。
ロサンゼルス国際空港の手荷物検査を担当するイーサンは、ワイヤレスイヤホンを通じて「特定の手荷物を無事に通過させろ。さもないとお前のガールフレンドを殺す」と脅迫される。ハッキングされた空港の監視カメラによって一挙手一投足すべてを謎の犯人に監視され、犯人の命令に逆らうことのできない立場に追い詰められたイーサン。犯人が飛行機に持ち込もうとしていたのは、乗客全員を殺害することのできるロシア製の神経ガスだった。なんとか、犯人の監視をかいくぐって大災害を未然に防ごうとするイーサンだったが……。
同時に、ただひとり、何かが起きかけていることを察知したロサンゼルス市警察の刑事エレーナも空港に乗り込んでくる。
犯人の目的はなにか? はたして、イーサンとエレーナは、犯行を未然にくい止めることはできるのか?
おおっ、これは面白い。観ていて、ヒリヒリしてくる。犯行をくい止めなければならないのだけれど、ガールフレンドの命を守るためには、逆に犯人のために行動しなければならないというジレンマ。そこで、二転三転するドラマ。しかも、時はクリスマス。クリスマスに不運に見舞われた男を主人公としたアクション映画の傑作が、ここにも!
意外と早くから犯人が主人公の前に現れるというのが、この手の映画としては珍しいかも。主人公が逆らえないのをいいことに、けっこう堂々と人前で動き回るのだ。そして、いったん動き出すと、空港中を全力疾走で駆けずり回る主人公! このあたりのジリジリとこらえていたところから、一気に動き出すあたりの静と動の対比もなかなかのもの。いやあ、大満足だ。
監督は『エスター』『ジャングル・クルーズ』『ブラックアダム』などのジャウム・コレット=セラ。なかなか切れ味の鋭い演出をする監督とみたので、他の作品も観てみようという気になったぞ。