【映画】カラテ・キル

 どこで知って、なにが気になったのか、まるっきり覚えていないのだけれど、観たい映画のリストに『カラテ・キル』というタイトルがあった。はて、これはどういう映画であろうか? このリストに入っているということは、なにか観たいと思った理由があるはず。そこで、U-NEXTでこの『カラテ・キル』なる映画を観てみることにした。
 カラテの達人のケンジ。アメリカに留学している妹のマユミが音信不通となったため、妹を探すためにアメリカに渡る。そこで知ったのは、キャバクラでバイトをしていたマユミが、「キャピタル・メサイア」というカルト集団に拉致されたということだった。それは、拷問、強姦、殺人といった映像をネットで配信している、かなりやばい組織だった。ケンジは「キャピタル・メサイア」の本拠地があるテキサス州に乗り込んでいき、マユミを取り戻そうとするのだが……。
 なんとも異様な映画である。とにかく血なまぐさい。流血の量が半端ない作品なのだ。そして、格闘シーンの迫力がすごい。主人公を演じているハヤテは、実際に剛柔流空手の免許皆伝で、しかもパルクールの名人でもあるので、動きが実に本格的なのだ。そして、その空手が、一撃必殺の壮絶な打撃だというのも、いままでにあまり観たことのないタイプのスタイルで、ビックリさせられた。すれ違いざまにズドンと拳を叩き込む一発で、相手はあっさり悶絶して倒れてしまうのである。
 全編アメリカロケで、クレジットなどもすべて英語で、まるで外国映画のようなのだけれど、多くのキャストは日本人で、普通に日本語が使われている。監督はロサンゼルス在住の日本人映画監督・光武蔵人ということで、海外マーケットを狙った作品なのだろう。実際に、海外のあちこちの映画祭で上映されているようだ。
 主人公の妹のマユミを演じているのは紗倉まなという女優で、ぜんぜん知らなかったのだけれどAV女優なのだそうだ。アジア圏で人気があるらしく、彼女を起用すればアジア圏で売れるだろうという理由で起用したのだとか。
 とにかく血なまぐささに辟易しながらも、本格的なバトルシーンの迫力だけでいっきに観させられたというような作品だった。かなりクセの強い映画なので万人にお勧めはしないが、格闘技映画の好きな人ならかなり満足できるのではないだろうか。