Netflixで韓国映画『武道実務官』を観る。
韓国では再犯率の高い性犯罪などの前科のある者の足首にGPSを取り付けて、行動を監視するシステムが導入されている。そのおかげで再犯率は大きく低下したものの、足首にGPSがついているということで社会復帰ができないというデメリットも生じてきているのだけれど。
主人公のイ・ジョンド(キム・ウビン)は、柔道三段、剣道三段、テコンドー三段の武術オタクなのだけれど、それと同じくらい好きなのがEスポーツで、父親の唐揚げ屋の配達の手伝いをしながら、ふだんは友人たちとゲーム三昧の日々を送っている。
そんなジョンドが、あるとき、足首にGPSをつけた犯罪者に襲われている男性を救ったことから、臨時の武道実務官に就任することになる。武道実務官というのは、GPSをつけた前科者が不審な行動を始めたときに、保護観察官と一緒に駆けつける仕事で、なんらかの武道の三段以上の実力が就任の条件となっている。最初のうちはまわりから説得されてなんとなく武道実務官の仕事を始めたジョンドだったが、次第に人の役に立つ仕事にやりがいを見いだしていく。そんなとき、幼女連続強姦魔が出所してきて、ジョンドたちの監視対象となるのだが……。
武道実務官という職業が本当にあるのかどうかは知らないのだけれど、そういういままでまったく知識のなかった世界を題材にしているのがまず面白い。しかも、主人公は別に熱血漢というわけではなく、「面白い仕事だったらやってもいいかな」ぐらいの若者なのだけれど、その若者が徐々に変化していく過程も面白い。
そして、幼女強姦魔というはらわたが煮えくりかえるような犯罪が題材になってくるのだけれど、韓国では実際にこの手の犯罪が多いらしい。その常習的な犯罪者を、ゲーム仲間の手を借りながら追い詰めていく過程のなかなかうまい。
主人公を演じているキム・ウビンがめっちゃ動ける俳優で、たっぷりあるアクションシーンもなかなか見ごたえあり。なんの前情報もないままたまたま観てしまった作品なのだけれど、これはなかなかの拾いものでありました。
とはいうものの、主人公たち、もう少し警察と連携して動いた方がいいと思うぞ。