【映画】ビバリーヒルズ・コップ3

 エディ・マーフィ主演のビバリーヒルズ・コップ3』を観る。シリーズ3作目となって、だいぶ迷走している感は否めない。
 デトロイト警察の刑事アクセル・フォーリーは、自動車盗難組織を摘発するはずが、なぜかそこには武装した一団が先に来ていて、上司が撃たれて殉職してしまう。かすかな手がかりからまたしてもビバリーヒズルに乗り込むアクセルは、またしてもローズウッドを引っ張り出して犯人を追う。なんとこの犯人一味は、ワンダーワールドというディズニーランドのような巨大テーマパークの地下で、偽札を刷っていたのだった。おいおい、カリオストロ公国かよ! 上司の仇を追っていたら、大変なものを見つけてしまった。どーしよー。
 なんで偽札を刷るのに、遊園地の地下を使わなければいけないのかがまったく分からない。しかも、遊園地の警備を担当している人間は全員、犯人の一味なのだけれど、けっこう衆人環視の中で平然とアクセルを追いかけて発砲したりして、まったく自分たちの正体を隠そうとしていない。いいのか、それで。
 ラストに意外でもなんでもない犯人が、どうだ意外だろう!と言わんばかりに登場するのだけれど、こいつが怪しいのはとっくにバレてるしなあ。
 なんだろう。とにかく脚本が稚拙。遊園地を舞台に、お子様ランチのようにあれこれとアクションを展開すれば面白いだろうと言わんばかりの脚本で、観客を舐めているとしか思えない。
 なにを考えたのか、監督に起用されたのはジョン・ランディス! いやいや、それは違うだろう。このシリーズはコメディを売りにしてはいるけれど、基本は切れ味の鋭いアクション映画のはず。基本の刑事ドラマをないがしろにして、コメディ専門のジョン・ランディスを監督に起用してどうするのさ。結果、いかにもジョン・ランディスらしいお祭り騒ぎの展開されるコメディ映画ができあがってはいるのだけれど、このシリーズに求めているのはこういうテイストの映画じゃないからね。
 こうしてみると、1作目は本当に傑作だったんだよなあ。もし、監督を変えなかったら、1作目のテイストで続けることができたのだろうか? 考えても仕方のないことではあるのだけれど、なんとももったいないシリーズだ。