エディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ2』を観る。
前作で世話になったビバリーヒルズ警察のボゴミル警部が何者かに撃たれて重傷と知ったデトロイト警察の刑事、アクセル・フォーリーは、再び事件を解決するためにビバリーヒルズに乗り込んでいく。そこで彼を待ち受けていたのは、アルファベット強盗と呼ばれる謎の一団だった。またしても、ローズウッドとタガートを巻き込んで、強引な捜査に乗り出すフォーリーだったが……。
さすがに前作に比べると脚本が雑になっている。そもそも、身長2メートルと言われるほどの長身の金髪美女(ブリジット・ニールセン)が毎回強盗の現場に出張ってきたら、簡単に正体がばれるだろうに(本当は185センチだけれど)。フォーリーの捜査が順調すぎるのもいまいち。改造された銃弾から射撃クラブに取材に行くと、そこが犯人の本拠地とか、さすがに安易すぎる。
そこをカバーしているのが、主人公たち3人組のキャラで、エディ・マーフィが相変わらず絶好調。また、前作では優柔不断な真面目人間ぶりが笑いをとっていたローズウッド(ジャッジ・ラインホルド)が、ダーティ・ハリーやランボーにかぶれたキャラに変貌して笑いをとっている。とはいえ、この3人組のおかしさも、前作の方が上だった。なかなか、シリーズ物の第2作は1作目を超えられないのだね。
監督は前作でめちゃくちゃいい仕事をしていたマーティン・ブレストから、トニー・スコットに交代している。トニー・スコットは本作の前年に『トップガン』で大ヒットを飛ばしていて、明らかにマーティン・ブレストより格が上なのだけれど、この2作を比べた限りではマーティン・ブレストの方がエディ・マーフィの魅力をうまく引き出している。
ちなみに、この時点ではブリジット・ニールセンはシルヴェスター・スタローンと結婚していたのだけれど、トニー・スコットを相手に浮気をしていたとのこと。なんともゴージャスな夫と浮気相手だけれど、それだけ魅力のある女性だったのだろう。でも、本作ではその魅力もそれほど発揮できていなかったのではないかな。