【映画】バッドランド・ハンターズ

 Netflixオリジナルの韓国映画『バッドランド・ハンターズ』を観る。
 大地震によって壊滅的な被害を受け、無法地帯と化したソウル。かろうじて生き延びた人々は、小さなコロニーを作り、僅かな水と食料にすがって細々と暮らしていた。
 18才になるスナ(ノ・ジョンウィ)は、バスという村に祖母とともに暮らしていたが、その村に豊富な水に恵まれた暮らしをしているという伝説のマンションからの使者が現れる。マンションでは国の未来のために、若者を家族とともに迎え入れているのだという。祖母とともにマンションに向かうことを決意するスナだったが、実はそのマンションでは人間を超人に進化させるための人体実験がおこなわれており、その研究のために若者が必要とされていたのだった。
 バスの村でスナの保護者的な役割をしていたナンサン(マ・ドンソク)と、彼の弟分のジワン(イ・ジュニョン)は、マンションから逃亡してきた元特殊部隊の隊員だったイ・ウンホ(アン・ジヘ)から事実を知らされ、スナを取り戻すためにマンションに向かう。だが、その前に立ちふさがったのは、不死身と化した軍人たちだった。
 大地震によって壊滅したソウルの街というのは、ほとんど『北斗の拳』もしくは『マッド・マックス』の世界である。力のみが支配する非情の世界だ。その非情の世界において、人情に生きる男、それがマ・ドンソクである。相変わらず、ひょうひょうとしながらめっちゃ強い主人公を演じている。
 肉弾戦から銃撃戦までアクションがてんこ盛りで、そのアクションシーンが実にいい。監督は『犯罪都市』などで武術監督を担当していたホ・ニョンヘンとのことで、なるほどアクションシーンに力が入っているわけだ。
 マ・ドンソクのみならず、アン・ジヘのアクションも見ごたえたっぷりで、これが実に素晴らしい。きれいなお姉さんのキレのいいアクションというのは、僕の大好物なのだ。めちゃくちゃかっこいいので、他に何に出ていたのか調べてみたら、東京国際映画祭で上映された『スレイト』の主演女優さんなのだという。なるほど、見惚れてしまうほどの素晴らしいアクションを次々とこなしてくれるのも納得だ。
 そして、ヒロインのスナを演じているノ・ジョンウィがこれまた可愛いんだ。透明感のある美少女でありながら、芯の強さを感じさせる女優さんで、彼女の存在感もなかなかのものだった。
 なんの前情報もないまま、ふらっと観てしまったのだけれど、これはなかなかの拾いものでありました。