【映画】犯罪都市

 韓国映画犯罪都市』を観る。
 シリーズ三作目が日本で公開されるに及んで、ようやく「これってもしかしたら面白いんじゃないの?」と気がついた次第。遅いっての。
 2004年ソウル。チャイナタウンを擁する衿川区では、韓国系ヤクザの「イス組」と朝鮮族マフィアの「毒蛇(ドクサ)組」との対立が続いていた。そこに、中国から新興勢力の「黒竜(ふんりょん)組」の狂暴な3人組が乗り込んできて、情け容赦のない手法で「イス組」と「毒蛇組」の縄張りを乗っ取ろうと動き始め、血なまぐさい事件が連続することとなる。日頃から荒っぽい捜査で「イス組」「毒蛇組」からも一目おかれている警察署強力班のマ・ソクト刑事(マ・ドンソク)は、「黒竜組」逮捕に乗り出すのだが……。
 なるほど、これは面白い。なにより、複数の組織が入り乱れながらも、物語がきわめてシンプルで分かりやすいというのがいい。日頃からヤクザとなあなあで馴れ合いつつも、いざとなれば悪を許さない豪腕刑事のマ・ドンソクのキャラもいい。中国から来た3人組の凄まじいばかりの容赦ない狂犬ぶりもさすがは韓国映画だ。もっとも、この3人組、ただただ狂暴なだけなので、もっと早く警察に見つかって捕まってもよさそうなものだが。でもまあ、これだけ存在感たっぷりの悪党を演じてくれたのだから、文句はない。
 とにかく、妙に頭をひねることなく、ストレートに楽しめる痛快な刑事ドラマとして充分に楽しませてくれた。
 それにしても、なにゆえ韓国映画はかくも血なまぐさいのだろう。相変わらず血の量が半端ない。もうちょっと抑制してくれてもいいだろうにと思ってしまうのだけれど、いっつも許してくれないんだよなあ。