【映画】ハート・オブ・ストーン

 『ワンダーウーマン』のガル・ガドット主演のアクション映画『ハート・オブ・ストーン』を観る。
 政治にとらわれず、国家への執着もない、荒廃した世界の平和維持を任務とするための超国家的組織チャーター。その行動を決定するのは、全能ともいうべきスーパーコンピューターのハートだった。だが、そのハートが奪われてしまい、チャーターは壊滅の危機に追い詰められてしまう。ハートの指示を無視したがためにミッションからはずされていたチャーターのエージェント、レイチェル(ガル・ガドット)は、ハートを奪還すべく過酷な追跡を開始するのだった。
 というわけで、女性版ミッション・インポッシブルといったおもむきのアクション映画である。見どころはなんといっても、ガル・ガドットのひたすらかっこいいアクションだろう。
 そして、派手でスケールのでかいアクションシーン。燃え上がる飛行船の上を全力疾走するシーンとか、アイスランドレイキャビック大学を爆破してしまうシーンとか、なかなかの迫力。これだけスケールの大きなアクション映画が、いまでは劇場ではなくネット配信になってしまうのかと思うと、なんとももったいないと思ってしまう。
 とはいえ、ハートというコンピューターの能力があまりにも全能すぎて、いささかツッコミを入れたくなったりもしてしまう。カメラがどこにもないような場面なのに、どうして映像を見ながら現地のエージェントに指示が出せるんだよ、とか。たぶん、映画を撮っているスタッフとしては、「すっごいコンピューターなんだから、なんでもありでいいんだろ」とか思ったんだろうな。そういうところは、もう少しきっちりしないとリアリティがないぞ。
 あと、悪党の行動があまりにも傍若無人すぎるのだけれど、街中での銃撃戦になんで警察とかが出てこないのだろう。ま、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』なんかも似たようなものだったけれど。
 ところで、クレジットを見ていて懐かしい名前を見つけてしまった。原案・脚本が、ボディガード、アティカス・コディアックを主人公としたシリーズで冒険小説ファンの間に根強いファンのいたグレッグ・ルッカではありませんか。コミックスの世界にいって小説を書かなくなって随分になるのだけれど、こんなところで名前を再び見るようになるとは思わなかったよ。