【映画】PATHAAN/パターン

 シャー・ルク・カーン主演のインド映画『PATHAAN/パターン』を観る。
 インドの諜報機関RAW所属の最強のエージェントだったジム(ジョン・エイブラハム)は、国から裏切られ、妊娠中の妻を失い、インドへの報復を実行に移すべく動き出していた。それを察知したのが、JOCRという組織を立ち上げたRAWの元エージェントのパターン(シャー・ルク・カーン)だった。ジムのテロを防ぐべく行動を始めたパターンだったが、ジムによってインド人科学者が誘拐されてしまう。ジムは科学者を誘拐して何をたくらんでいるのか。ここにパターンとジムとの壮絶な闘いが始まり、さらにはISIのエージェント、ルバイ(ディーピカー・パードゥコーン)もこのあらそいに介入してくるのだった。
 2023年のインド興収№1大ヒットとのことでけっこう期待したのだけれど、どうもいまいちだった。ストーリーが単調で、展開に驚きがないし、アクションシーンももうひとつ工夫が足りなく、「いやいや、それは無理だろう」というシーンに説得力がない。ディーピカー・パードゥコーンがスピードスケートをやり出した場面では「これはギャグか?」と思ってしまったし、ジムとパターンが空を飛びながら闘うシーンも「なんだかなあ」という印象になってしまう。
 特に前半が単調だったのだけれど、それでもさすがにクライマックスでは盛り上がってくれてホッとする。あと、パターンが危機に陥ったところにタイガー(サルマン・カーン)が駆け付けるところは、ちょっと嬉しかったりする。『タイガー 伝説のスパイ』という別の映画の主人公が、そのキャラクターのまま登場してきているのだ。エンドクレジットのあとでの、パターンとタイガーの会話も、お遊びとして楽しい。このあたりは、インド映画をよく知っている人にとっては、いろいろとくすぐられるんだろうな。
 あと不満なのはディーピカー・パードゥコーンの扱い。やたらとセクシーさを強調して露出度の高いファッションで登場しているのだけれど、ディービカー・パードゥコーンの魅力ってそこじゃないだろう!とか思ってしまう。ディービカー・パードゥコーンに関しては『恋する輪廻』原理主義者なもんで、もっとキュートな魅力を見せて欲しかった。まあ、『恋する輪廻』っていま調べたら2007年の作品なんで、2023年にもなってそれと同じことを要求する方がムチャなんだけど。