【読書】ジョー・R・ランズデール『人にはススメられない仕事』角川文庫

 ジョー・R・ランズデール『人にはススメられない仕事』角川文庫を読了。
 クラブの用心棒をしながら、相変わらず自堕落な日々を過ごしているハップに、恋人のブレットが助けを求めてくる。売春婦をしている娘、ティリーが助けを求めているらしいというのだ。かくして、ゲイで黒人の親友レナード、恋人のブレットとともにティリーを救うために乗り出すハップだったが、3人を待ち受けていたのは予想以上に危険な事態であった。
 というわけで、ハップ&レナードシリーズの邦訳第4弾である(残念ながら第1作が訳されていないので、シリーズでは第5作目となる)。あいかわらず、トラブルを呼ぶ男ハップの悪運は絶好調で、組織の大物が牛耳る売春宿に乗り込むだけでもおおごとだというのに、さらには国境を越えなければならないとんでもない事態に発展していく。
 途中でこのトラブルに巻き込まれていく登場人物たちもなんとも個性的で、そこでかわされる減らず口の応酬が実に楽しいのだけれど、その挙げ句に待ち構えているのは絶体絶命の事態だったりする。読んでいて、「おおっ、ここまできて、まだこんな展開に持って行くのか!」と驚愕してしまった。
 ジョー・R・ランズデール、本当に侮れない小説家だ。