★リザード

 タイのモンスターパニック映画リザードを観る。
 水飢饉にあえぐ干ばつ地帯で、優勝賞金100万バーツをかけた地下水掘削競争が始まる。100万バーツを手にせんものと、大勢の掘削業者が集合する。祖父の葬儀のために帰郷してきていた人気ラッパーのカオも、地下水掘削業者だった祖父の車に道具を積み込んで、コンテストに参加する。だが、その地下には巨大なトカゲが棲みついていた。次々と参加者に襲いかかる巨大トカゲ!
 というストーリーで、シンプルにそれだけの作品である。怪獣をめぐる特撮は、それなりに頑張ってはいるのだけれど、いかんせん、脚本が弱すぎる。いっけん感動的に見せかけているエピソードなども、実に底が浅くて説得力がない。自信たっぷりに他の人間を説得して怪獣退治に乗り出す主人公も、実はほとんど何も考えていなくて、なりゆきまかせだったりするし。
 人間ドラマに説得力がないので、途中の展開がいささかもたつくのは、けっこう大きなマイナス点だったりする。
 登場するモンスターは、単にでかいだけのトカゲ。だけど、突然、宙を飛んできて襲いかかってきたりする。しかも、その大きさは場面によって統一感がなく、ある時は4~5メートルぐらいなのに、場面によっては12~13メートルぐらいだったりするというアバウトさ。
 というわけで、はっきりいってC級モンスター映画である。この手の映画のマニア以外は、手を出さなくてもいいだろう。

 ところで、このDVDに収録されていた『ザ・レイク』というタイのモンスター映画の予告編にけっこうそそられてしまったのだけれど、はたしてこちらは予告編から期待される仕上がりの映画なのだろうか? きっと、近いうちに観ることになると思うので、報告を待たれよ。