【映画】ボーン・スプレマシー

 さっそくジェイソン・ボーンシリーズの第2弾ボーン・スプレマシーを観る。
 前作で知り合った恋人とともにインドに暮らしていたジェイソン。だが、そこに彼を追う殺し屋が現れ、恋人は命を落とす。その仇を討つために、ジェイソンはインドを離れ、殺し屋を送り込んだ犯人追及に乗り出す。
 一方、ベルリンで過去にCIAの資金を奪った犯人につながるファイルを入手しようとしていたCIA捜査官が殺害され、その現場からジェイソン・ボーンの指紋が発見される。捜査の責任者であったCIA捜査官パメラ・ランディは、組織をあげてジェイソンの追跡にとりかかるのだが……。
 これまた抜群に面白いアクション映画だった。複雑すぎない脚本がよくできている。この手の謀略モノでいちばん困るのは、ストーリーが複雑になりすぎて内容がよく分からなくなってしまうことなのだけれど、本作はそこのところをうまく処理していた。もっとも、ロシアに乗り込んでいったジェイソンが、どうやって仇を識別してその居場所を割り出したのかとかは、よくわからないままスルーしてしまったのだけれど。ちゃんと観ていればわかる描き方をしていたのかな。
 監督は前作のダグ・リーマンからポール・グリーングラスに変わっているのだけれど、このポール・グリーングラスという監督、アクションシーンの演出がいまいちなのは残念。やたらとカメラが揺れ動き、細かすぎるカットの切り替えを多用するので、アクションの全体像がわからないし、目が回ってしまう。優れたアクションは、しっかり全体像をクリアに見せたうえで、迫力を生み出さなければならないというのに。誰か、この監督に、そんなに画面をゆさぶるなと言ってほしい。このシリーズ、このあとはずっとこの監督が撮っているようなのだけれど、ちょっと心配だぞ。