【読書】須賀しのぶ『帝国の娘(上下)』角川文庫

 須賀しのぶ『帝国の娘(上下)』角川文庫を読了。
 面白い! 中世の西洋を思わせる架空の世界を舞台にした宮廷ドラマ。

 少女カリエは、病に伏せる皇子アルゼウスとうり二つであったために、身代わりとして、皇位継承者を選定するための寄宿舎ともいうべき施設に送り込まれる。そこでさまざまな試練にさらされ、それを乗り越えて成長していくのであるが、あくまでも彼女は身代わりにすぎず、もしその正体がばれれば亡き者とされる運命であった。それどころか、もし皇子アルゼウスが逝去したとしても、暗殺される運命が待ち受けているのであった。

 いやあ、面白かった。だが、問題は、この小説がまだまだ続くということなのである。なんと、外伝を含めて全25巻の大河小説なのである。本書は、その最初の2巻にすぎないのだ。これだけ面白いと、読みたくなるではないか。しかし、古いコバルト文庫など、そうそう簡単に手に入るものではない。が、嫁さんに確認すると、最後の数巻は欠けているものの、我が家のどこかに埋もれているはずだというのである。おおっ、それは発掘しなければ。
 須賀しのぶは、『雲は湧き、光あふれて』などの野球小説や『革命前夜』などは読んでいたものの、コバルト文庫から刊行されたライトノベルは読んだことがなかった。が、やはり面白い。こうなると、他の作品も読みたくなってくる。『キル・ゾーン』シリーズなども嫁さんの蔵書としてどこかに埋もれているはず。なんとか掘り出して読まなければ。