★ギターを持った渡り鳥

『ギターを持った渡り鳥』1959年
 監督:齋藤武市、主演:小林旭浅丘ルリ子

 裕次郎の映画が一人勝ちしていた日活に新しく登場してきた人気シリーズの1作目。
 ギター1本かかえて北海道函館に流れてきた若者が、土地の利権を巡るいざこざに巻きこまれ、最後は弱い者の味方をして悪を懲らしめるという、きわめてスタンダードなフォーマットにのっとった娯楽作品。そこに、若者はかつての刑事で、その刑事に弟を殺された殺し屋の宍戸錠がからむという味付けがなされている。
 ストーリーは極めてシンプルでオーソドックスなものではあるのだけれど、人気が出たというのはよく分かる。なにしろ、小林旭がかっこいいのだ。ギター1本かかえた流れ者という設定が実にいいではありませんか。
 土地の大物を演じるのは金子信雄で、その娘役が浅丘ルリ子浅丘ルリ子小林旭に対してあわい恋心を抱くのだけれど、もちろん、最後はそんな女の気持ちを知らぬげに流れ者は去って行くのである。お約束の展開ではあるのだけれど、かくして続編が作られることになるのだ。