★少林寺 無敵の鉄線拳(鉄線功夫拳)

 ルイス・ファン主演の中国クンフー映画『少林寺 無敵の鉄線拳(鉄線功夫拳)』を観る。
 幼なじみを守るために少林寺で修業を積んで洪家拳をマスターした梁坤(ルイス・ファン)。だが、故郷に戻った梁坤と幼なじみの兄妹に対する、土地の大物・胡家の息子による度重なる嫌がらせが続き、ついには武術界に名の知れた刺客までが送り込まれてくる。
 一方、武術界では万蠱宗という蠱毒を扱う一派が武術界制覇を目論み、それを阻止せんとする毒王谷の顔峰、顔月、酔拳の達人の蘇化子との闘争が繰り広げられていた。たまたま危機に陥った顔峰たちを救った梁坤は、武術界の平和のために万蠱宗を倒す戦いに参加するように誘われるが、少林拳は攻撃のための武術ではないとその誘いを断る。
 だがやがて、梁坤は万蠱宗との戦いに、嫌が応にも巻き込まれていくのだった。

 なんと、少林寺系統のクンフー映画が中国武侠アクションと合体した作品なのである。少林寺洪家拳をマスターした梁坤が軽功を使う場面では「それは違うぞ」と思ってしまったけれど、金庸武侠小説に出てくるような武術の使い手と正統派クンフーとが闘う場面というのはなかなか新鮮なものがあった。アクションシーンの演出もそれなりに充実していて、たっぷりと楽しめる。
 とはいうものの、救いのない展開でもあるよなあ。そして、簡単に敵の罠にかかって騙される梁坤もどうよ、とあきれるばかり。また、鳴り物入りで送り込まれてきた刺客が予想外に弱いというのも、いかがなものか。
 と、多少は突っ込みつつも、基本は楽しめたのだからOK。

 それにしても、ルイス・ファン、随分と芸歴が長いよなあ。自分がルイス・ファンを知ったのは『RIKI-OH/力王』の時だったと思うのだけれど、これが1992年の作品。調べると、1986年の『検事Mr.ハー 俺が法律だ』にも出ているらしい。最近ではドニー・イェンの『イップ・マン』などにも出ていたけれど、いい役者になったものだ。