★少林寺 怒りの金剛拳

 少林寺 怒りの金剛拳を観る。原題は『南少林之怒目金剛』。

 もともと海賊の頭領であった蔡炎(ルイス・ファン)はが、配下の徐昭(ホン・ヤンヤン)に裏切られて大怪我を負い、南少林寺に助けられる。南少林寺は建立したばかりで、村人たちからもほとんど無視される存在だったのだが、その村に徐昭率いる海賊たちが襲いかかる。蔡炎は南少林寺の僧侶たちと力を合わせ、海賊に立ち向かうのだが……。

 中国のクンフー映画には、毎度毎度ガッカリさせられている。が、本作は違うぞ。なにしろ、主演がルイス・ファン(樊少皇)で、敵役がホン・ヤンヤン(熊欣欣)で、監督はドン・ウェイ(董偉)なのだ。いちおう中国映画ではあるのだけれど、この顔ぶれなら香港映画テイストのクンフー映画を期待できるというものではありませんか。実際、アクションシーンはあれこれと工夫を凝らしていて一本調子にならないし、人間ドラマの方もしっかり盛り上げてくれている。絶賛とはいわないにしても、これは悪くはない。
 舞台となるのは南少林寺。通常、少林寺というと河南省にある嵩山少林寺のことを言う。ジェット・リー主演の『少林寺』など、少林寺を題材とした映画はみなこの嵩山少林寺を舞台にしている。が、本作では珍しく福建省にある南少林寺が舞台になっている。