★カウンターアタック 反撃

 チウ・マンチェク監督・主演のアクション映画カウンターアタック 反撃』を観る。

 東南アジアのクンラン共和国で発見された石油の採掘権を巡って、中国とアメリカの代表団が交渉しているさなか、中国の代表が暗殺されてしまう。その警護責任者であったル・ズーミン(チウ・マンチェク)は、暗殺犯の汚名を着せられ、たまたま居合わせた新聞記者モー・バイ(ジアン・イーイー)を巻き込んで、逃亡の身の上に。この危地を抜け出すには、おのれの潔白を晴らすしかなく、単身、巨悪に挑んでいくのだったが……。

 かつてジェット・リーと共演し、さらには『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地覇王』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地撃攘』で黄飛鴻を演じ、名実ともにジェット・リーの後継者と見なされていたチウ・マンチェクが監督に乗り出した作品である。
 正直言うと、それほど期待はしていなかった。チウ・マンチェクに監督としての素質があるとは思えなかったからだ。案の定、安っぽいオープニングに「やっぱり、こんなもんだよな」と思ってしまう。
 だけど、ストーリーが本線に入ってからは、なかなか見せるではありませんか。そりゃ、いろいろと突っ込みどころはあるし、ヒロインの扱いにもかなり無理はあるのだけれど、アクション映画としてそこそこ楽しめる作品に仕上がっていた。さすがはチウ・マンチェク、生身のアクションのキレが違う。
 中盤で展開されるマイラ・マラという女優を相手の肉弾戦、クライマックスで展開されるディエゴ・ダティ相手のナイフバトルなど、けっこう見ごたえがあった。マイラ・マラという女優、格闘家かなにかなのだろうか?
 チウ・マンチェク、ただいま51歳である。本作は2021年の作品なので、49歳。まだまだ現役としてガッツリ動けることを見事に証明してみせた。
 が、なんでこのチープなエンディングになるかなあ。オープニングより、さらにトホホなエンディングにすっかり脱力してしまったではないか。