★プロデューサーズ(1967年)

 メル・ブルックス監督のプロデューサーズ(1967)』を観る。

 いままでは吹き替え版を繰り返し繰り返し観ていたのだけれど、今回初めて字幕版で観てみた。いやあ、字幕版でもめちゃくちゃ面白いや。やっぱり、何度も何度も吹き出してしまう。

 出資金を集めるだけ集めて、1日で上演中止になるような最低の舞台を用意すれば、余計にかき集めた出資金がすべて自分のものになるということに気がついたマックス(ゼロ・モステル)は、会計士のレオ(ジーン・ワイルダー)を巻き込んで、確実にコケる舞台を企画する。「ヒットラーの春」という史上最低の脚本を探し出し、最悪の演出家を手に入れ、最低最悪のヒットラー役者を用意して、絶対に大失敗する舞台に挑むのだが……。

 いやあ、本当に何度観ても面白い。のちにブロードウェイミュージカルとなってロングラン上演に結びつき、それがまた映画化されるという実にイレギュラーな展開を見せることになる作品だが、アカデミー脚本賞受賞も納得の面白さなのだ。

 ブルーレイには特典としてメイキングビデオ等も収録されているのだけれど、ウーラ役のリー・メレディスの元気な姿が観られたのは嬉しい限り。なかなか素敵なおばあちゃんになっているようでなにより。そして、今回初めて知ったのだけれど、あの脚本家を演じる予定だったのは、実はメル・ブルックスの近所に住んでいたダスティン・ホフマンなのだとか。それが、マイク・ニコルズ監督のオーディションを受けて『卒業』に出ることになったので、実現しなくなったのだけれど、ダスティン・ホフマンだったらどんな脚本家になっていたのだろう。
 また、上映会のトークショーに登場したメル・ブルックスが、アン・バンクロフトとの出会いを語っている動画なども収録されていて、歳とったけれど、相変わらず元気な姿を観ることもできる。
 さて、こうなってくるとメル・ブルックスの他の作品も観たくなってくるぞ。