★ヘルハウス

 リチャード・マシスン原作のホラー映画『ヘルハウス』を観る。

 1973年の作品。もう半世紀前の作品だ。『エクソシスト』が社会的問題となるほどの大ヒットを飛ばし、空前のオカルト映画ブームが巻き起こった1974年に、この作品も日本で公開された。僕は、ちょうど創刊されたばかりの「GORO」に載っていた試写会の知らせに応募してこの作品を観ている。

 実に久しぶりにこの作品を観たわけだけれど、やはり傑作であると思った。超心理学と科学とが一体となって心霊現象に挑むという原作の素晴らしさが成功の最大の要因なわけだけれど、その原作のよさが実に見事に映像化されている。派手な描写、スピーディな展開を避けた、抑制された演出がいかにもな雰囲気をかもしだしている。限られた舞台、限られた登場人物という設定も、成功に結びついているのだろう。

 監督はジョン・ハフピーター・フォンダスーザン・ジョージ主演の『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』、マーク・レスター主演の『小さな目撃者』などの監督だ。
 主演は、ロディ・マクドウォール、ゲイル・ハニカット、クライヴ・レヴィル、パメラ・フランクリン。当然ながら、この映画でパメラ・フランクリンに惚れ込んだわけだけれど、『ヘルハウス』以降はテレビを主な活動の場としていたようで、ふたたび彼女の姿をスクリーンで観ることはなかった。