★ハーティー 森の神

 インド映画『ハーティー 森の神』を観る。


 ゾウたちが暮らす森の中に、突如としてリゾート開発の話が持ち上がる。「森の神」と呼ばれ、人々から尊敬されるスミトラナンダンは、森を守るため、ゾウを守るために立ち上がる。だが、役人と結託した開発業者によってスミトラナンダンは排除され、ゾウの通り道には7キロに渡るコンクリートの分厚い壁が建てられてしまうのだった。
 うーむ、なんというか、脚本が雑というか荒っぽいというか。サブの主人公ともいうべき象使いのシャンカルの行動なんて、まったく訳がわからない。自然保護のための過激派組織の女性に惚れて、彼女に気に入られたいがためにリゾート開発の仕事を手伝うって、ぜんぜん理屈が通らないじゃん。完全に真逆な行動をとる理由がわからん。また、リゾート開発業者と結託する役人、警察の行動もめちゃくちゃで、近くに住む村人を虐殺して村を焼き払ってしまったりして、さすがにそこまでやれば社会問題になるぞ。
 そして、ゾウと人間が一緒に出てくる場面があからさまな合成だったりして、迫力もなにもあったもんじゃない。
 『バーフバリ』で悪役を演じていたラーナー・ダッグバーティが主演というだけの理由で日本に持ってきたのだろうなあ。でも、やっぱり作品の質も伴わなければ、「インド映画ってこんなレベル」とか思われちゃうだけになってしまうよなあ。