★マルセル・エイメ『壁抜け男』角川文庫

 マルセル・エイメ『壁抜け男』角川文庫を読了。


 めちゃくちゃ久しぶりにエイメの小説を読んでみて、その発想の奇抜さに驚かされる。壁を通り抜ける能力を持つ男、自分の複製をいくらでも、どこにでも作り出せる女性、2日に1日しかこの世に存在することのできない男性。そうした人物の日常生活。
 なにこの素敵なセンス。
 そして、いかにもフランス人なモラル。若いいい男に出会えば、人妻といえど恋に落ちて当たり前で、そこに違和感などかけらもないんだものなあ。
 いや、楽しい読書時間でありました。